消えていった恋の泡~ユーミン『海を見ていた午後』

消えていった恋の泡~ユーミン『海を見ていた午後』

「その場所に行くと、思い出が蘇ってくる」――そんな経験はありませんか。
ユーミンの『海を見ていた午後』は、まさにそんな感覚を描いた曲です。
舞台は横浜・根岸に実在するレストラン「ドルフィン」。
晴れた午後の情景とともに、消えていった恋の記憶が静かに重なります。

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『海を見ていた午後』

松任谷由実『海を見ていた午後』

  • 収録アルバム:『MISSLIM』(1974年)
  • 作詞・作曲:松任谷由実

『海を見ていた午後』は、ユーミンの情景描写の代表作。まるで絵画の中に入ったような気分になります。
「ドルフィン」という実在のレストランを舞台に、
失われた恋の記憶と透明な午後の光景が交差する一曲です。

注目フレーズ

山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
小さなアワも恋のように消えていった

――『海を見ていた午後』 <引用>
収録アルバム:『MISSLIM』(1974年)
作詞・作曲:松任谷由実

言葉の処方箋

ユーミンの詞は、風景と心情を重ねて描くところに力があります。
ソーダ水に浮かんでは消える泡を「恋のように」と喩えたフレーズは、
終わってしまった恋のはかなさを、静かで透明な美しさに変えてくれます。

消えてしまったものは悲しいけれど、
その思い出は風景と一緒に、心にやさしく残り続ける。
そんな視点が、この曲には込められているように思います。

次の一歩のために

過去の恋を思い出す場所があるなら、
それはあなたにとって「心のアルバム」の大切な一枚です。
その記憶に涙する日もあれば、やさしく笑える日も来るでしょう。
思い出は、あなたの人生を彩る風景の一部になっていきます。

私も実際に「ドルフィン」を訪れたとき、
窓から広がる景色にこの曲の歌詞が重なって見えました。
そして――ドルフィンでかかる『海を見ていた午後』が流れてきました。
あの瞬間、歌詞の世界と現実が重なり合い、胸がいっぱいになりました。

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